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万引~あいかの場合(3) 

「そうか。万引きを認めるんだな。
 じゃあこの紙の※印のついているところに記入して」
警備員は引出しから出来合いの万引き記録の用紙を取り出して、あいかに書かせた。
あいかは住所・氏名・年齢・電話番号や学校名などを正直に記入して渡した。
警備員はあいかが万引きしたと認めた商品の名前や時刻などを記入し書類が出来上がった。
「一通り読んで間違い無ければハンコを押して。拇印でいいから」
「は、はい・・・」
あいかは観念して拇印を押した。
「ほう白雪か、お嬢様学校じゃないか。まだ先生もいるだろう。電話しないとな」
「えっ!」
あいかは思わず声をあげた。学校に連絡されたら元も子もない。
「お願いします!学校に連絡しないで下さい!」
「おいおい、正直に万引きをしたことを白状したから警察沙汰は勘弁してやるが、学校には連絡して注意してもらわなければならないだろう」
「そんな・・・」
あいかはシクシクと泣き出した。
「泣かれても困るんだよね」
「お願いです、学校には連絡して下さい、見逃して下さい」
「そう言うけどね、ここで君を見逃したことがばれると、私もクビだからね」
「・・・」
あいかの愛らしい瞳から大粒の涙がこぼれ落ちた。
警備員はあいかの表情を見てニヤリとしながら言った。
「お嬢ちゃん、改めて見ると可愛い顔しているね。
 一発やらせてくれたら黙っていてもいいんだぜ」
あいかは絶句し大きく目を見開いた。
「お、おい、ご、ごめん、悪かった、冗談だよ。
 えーと、白雪の中等部の電話番号を調べないとな」
わずかに逡巡した後、あいかは覚悟を決めた。
あいかは椅子から立ち上がると、あいかに背を向けて電話番号を調べ始めた警備員の後ろから抱き付いた。
「・・・何しても構いません・・・だから許して・・・下さい・・・」

【その4へ続く】


[2009/02/03 06:00] 万引~あいかの場合 | トラックバック(-) | コメント(-)