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万引~あいかの場合(2) 

「わ、私、万引きなんかしていません・・・」
あいかは消え入りそうな声でそう言うのがやっとだった。
「否認か。そうすると、警察に連絡することになるよ。いいんだね」
「えっ?」
「こちらは警察ではないから取り調べる権限などないからね。
 警察にこの証拠を提出して、後は警察の判断に委ねるしかないだろう」
「・・・」
「一つだけ確認しておくが、この商品は君の買物袋に入っていたことは間違いないね」
「それはその通りですけど、わたし、買物袋に入れたりしていません・・・」
「あくまで否認する気なら警察で指紋を取ってもらうよ。
 この商品に君の指紋がついていたらもう言い訳できなくなるよ」
(あっ・・・)
この食材をあいかは一度手に取って棚に戻している。
もし、買物袋からでてきたものがそれだったら、あいかの指紋がでてくるだろう。
そうなったら、警備員の言う通り警察もあいかの言葉など信じてくれなくなる可能性が高い。
警備員が畳みかけるように言った。
「とにかく万引きを否認するのなら、ここで話をしても時間の無駄だ。
 警察に通報して、警察に取り調べてもらうよ」
あいかは警察があいかを万引きと判断し学校に知らせることを恐れた。
あいかは間違いなく退学になる。
上流家庭が圧倒的に多い白雪女子学園の中では、あっという間に情報が伝わってしまう。
一生万引きの汚名を背負って生きることになる。それだけは避けたかった。
苛立った警備員が電話をかけようとしていた。
「待って下さい。万引きしたことを認めます。ごめんなさい。だから、警察には連絡しないで下さい」
あいかが叫んだ。

【その3へ続く】

[2009/02/02 06:00] 万引~あいかの場合 | トラックバック(-) | コメント(-)