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万引~あいかの場合(1) 

金曜日の学校帰り、あいかはお菓子作りの材料を買い揃えて、スーパーを出た。
小柄で顔立ちにもまだ幼さの残るあいかは私立白雪女子学園中学の二年生だ。
内気でおとなしい性格も相まって、カレシはいない。だが、本人は気にもしていなかった。
あいかは、週末はもっぱら趣味のお菓子作りをし、出来上がったお菓子を家族や友人たちが喜んでくれるのを、何よりも楽しみにしていた。
「すみません、お客様」
あいかは、突然後ろから声をかけられた。驚いて振り向くと制服姿の警備員が立っていた。
「少々お話をお伺いしたいので、事務所の方に来ていただけますか」
言葉つきこそ丁寧ではあったが、有無を言わせない威圧感があった。
あいかはなぜ自分が事務所に連れて行かれるのか見当もつかなかった。
あいかは通学鞄と買物袋を持っていたが、事務所に入ると警備員に買物袋を取り上げられ中のものを机の上に並べられた。
「あ、あのぉ」
あいかは抗議したかったが、気弱な性格が災いして、言葉にならなかった。
「これは何かな」
警備員が取り出したものを見て、あいかは驚いた。買った覚えのない食材があったからだ。
あいかはスーパーに来るまで週末にどんなお菓子を作るのか決めていなかった。
食材を見ながらあれこれ考えていたので、いろいろな食材を手にしていた。
だから、警備員が取り出した食材は、一度は手にしていた。
しかし、すぐに棚に戻したはずのものだった。
「そ、それは・・・」
あいかは、訳がわからず、返答に窮した。
それを見て、警備員は言い放った。
「万引きしたと認めますか?」
あいかは目の前が真っ暗になった。

【その2へ続く】

[2009/02/01 06:00] 万引~あいかの場合 | トラックバック(-) | コメント(-)