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義父~かおりの場合(2) 

お母さんは昼・夜掛け持ちで2件のコンビニで仕事をしていたけど、そんなのではとてもやっていけなくて、夜の仕事を始めたの。
お母さんは結婚式の写真を見るとすごく美人だったけど、仕事ばっかりしてきたから、すっかりやつれ、その頃の面影は全然無かった。まるで別人みたい。だから毎晩厚化粧をしてお店に行っていた。
今のお父さんと知り合ったのはそのお店らしい。あたしが中学に入ってすぐの頃、突然食事をするからと言って制服のままお母さんにレストランに連れていかれ、初めて今のお父さんに会ったの。
お父さんはすごくニコニコしながら、
「かおりちゃん、はじめまして。お母さんから写真を見せてもらっていたけど、実際に会うと写真よりもずっとかわいいね」
と言ってくれ、食事の後にはかわいいミニのワンピースを買ってくれた。すごく嬉しかったのを覚えている。
その週の週末、あたしは一人でお父さんのところに行ったの。お母さんから、
「おかあさん、あの人からプロポーズされたの。それで、あの人が、かおりにも自分の仕事を見てもらいたい、言ってたから、行ってきて」
と言われたから。
お父さんの家は昔からの地主さんでビルやマンションをいくつも持っていた。「このビルの屋上から見れば全部見られるから」と言われ、エレベータで上がり、鍵を開けて屋上に出ると、周囲の建物が一望できた。
お父さんはあたしの後ろに立つと両肩に手を置いて自分の持っている建物を一つ一つ説明してくれた。
(なんで、こんなお金持ちのおじさんがお母さんと結婚する気になったのだろう)
自分の母親を悪く言うつもりはないけど、生活に疲れすっかりおばさんになっていて子供もいるお母さんと結婚するのが不思議だった。
「おじさんには子供がいないから、これが全部かおりちゃんのものになるんだよ」
そう言いながら、お父さんは手を下に滑らせてきてあたしの胸を触った。
その瞬間、あたしには全部がわかった。
(この人の狙いはあたしなんだ!)

【その3へ続く】


[2008/10/21 06:00] 義父~かおりの場合 | トラックバック(-) | コメント(-)