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サブリミナル~ふみかの場合(2)  

「サブリミナルは画像、つまり視覚ばかりがクローズアップされるが、音にもあるのではないか、と考えられている。サブリミナルを簡単に言うなら『意識することのできなかった画像や音を無意識に取り込み、それに意識が影響を受けること』と言うことができる」
「意識と無意識か・・・」
「だがな、意識とか無意識とか言うと、哲学的な話になってしまうが、生物としての人間を考えると見方が変わってくる。例えば、インターネットの普及で得られる情報量が爆発的に増加し人間の情報処理能力の方が追い付かなくなっている。だから必要な情報をフィルタリングして得る必要が生じている」
「それは実感している」
「実は生物としての人間も原理的には同じ状態だ。視覚・聴覚などの五感から得られる情報量は膨大なものがあり、全てを意識の俎上に乗せることはできない。生物として生命の危機をもたらしかねない重要な情報以外は無意識のうちに取捨されている。『目には映っているが見えていない』情報の方が圧倒的に多いのさ」
「うーん」
「例えば、お前の通勤路に何があるか『全て』正確に再現できるか?」
「それは無理だ」
「つまり意識的な情報としては把握していないわけだ。だが、毎日通勤できていると言うことは、無意識のうちに蓄積された情報との照合がお前の頭の中で行なわれていたということだ」
「なるほど」
「人間は言語を得たことで抽象化の能力を高めた結果、情報処理能力が飛躍的に高まったのは事実だが、抽象化されていない情報についてはさほど変わっていない。
むしろ都市化・情報化に対応するために五感が鈍っているから、衰えているとも言える。
情報の洪水に追随し全てに対応していたら、人間の処理能力がパンクする」
「そうかもしれないな」
「そこでだ。人間が通常無意識のうちに捨象され意識にのぼらない音を使って催眠状態にすることは可能ではないか、と考えて装置を開発したのさ」
「ほー」
「ところが、人間の自我というのは結構凝り固まっていてな。多少のことでは催眠の前提である意識の狭窄に持ち込めないのだ。下手に意識を狭窄させると生命の維持に不利になることも多いだろうから、本能的なことなのかもしれないがな。結局は情緒的に不安定な思春期の女の子ぐらいしか効果が出なかったのさ」
「・・・それで十分だ。その装置の使い方を教えろ」

【その3へ続く】

[2008/12/20 06:00] サブリミナル~ふみかの場合 | トラックバック(-) | コメント(-)