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サブリミナル~ふみかの場合(1) 

俺はマッドの研究室を訪れた。
マッドというのは俺の高校時代の同級生で天才的な頭脳を持った変人だ。マッドという名前は、もちろん「マッド・サイエンティスト」から取ったあだ名だ。
教授の言うことを聞いて立てていれば良かったのだろうが、そういうことのできる男では無く、才能を惜しまれつつも早々に大学を追い出されていた。
俺は会社を経営している親父に金を出させて自由に研究をさせ、その成果を金儲けや個人的な楽しみに生かしている。
ただし、マッド本人は好き勝手にやりたい研究をしているだけなので、時々行って内容を聞かないとならない。

「どうした、渋い顔をしているな、研究がうまくいっていないのか」
「いや、研究自体は完成したのだが、効果があまりに限定的なのでね」
「?」
「お前はサブリミナルというのを知っているか?」
「えーと確か、映画のフィルムの中に、見ている人間が気付かない程度に、ポップコーンやコーラの画像を入れたら売上が伸びた、とか言う話じゃなかったか」
「微妙に違う部分もあるが、まあ本質は外していない」
「誉めているのか、貶しているのか、わからない評価だな」
「サブリミナル効果については、まだ科学的には肯定も否定もされていない。人間の意識と無意識の境界に関する問題だから、解決されるまでにはまだ時間がかかるだろう。だが・・・」
この「だが」から先がマッドのマッドたる所以なのだ。俺は聞き漏らすまいと意識を集中させた。
「だが、サブリミナル効果が『存在する』ことを仮定し、それを利用する技術を開発することは原理的に可能だ」
「そりゃそうだな、無駄玉に終わる可能性はあるが・・・待てよ、研究が完成したのだから、サブリミナル効果はあったということか」
「他の要因が影響しているのかもしれないから、サブリミナル効果については存在の有無は断定できないし、あまり興味は無い」
こういう奴なんだよな。
「結果的に得られたのは『女子中高生を意のままに操れる』だけにすぎないからな」
「・・・詳しく話せ」

【その2へ続く】

[2008/12/19 15:32] サブリミナル~ふみかの場合 | トラックバック(-) | コメント(-)