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洋上~さらさの場合(1) 

「更紗さん、どうかしら?」
「こんなの初めてです。すごく気持ちがいいです、おば様」
「そう、喜んでもらえて良かったわ」
今日は、同じクラスの由紀の御両親に私と真奈の二人が招待されてクルージングを楽しんでいます。
10人ぐらいは悠々乗れる大きなボートを由紀のお父様が操縦しています。真奈は去年、小六の時の夏休みにも乗せてもらったことがあるのですが、私はその時家族旅行で海外に行っていたので今日が初めてです。
由紀とその御両親と真奈、私の合計5人です。
ハーバーを出てから一時間。見渡す限り一面の海です。波も無く静かな海は素晴らしい光景です。
夏の照りつける日差しが眩しいです。
5人ともクルーザーの中で水着に着替え、ライフジャケットをつけて、後部デッキで冷たい飲み物を飲んでのんびりしています。
私たち中1の3人組は学校のスクール水着、おじ様とおば様も水着姿です。
「さあ、そろそろ料理を温めようかしら」
豪華なボートですから、ミニキッチンには冷蔵庫も電子レンジも揃っています。おば様のお手伝いをするため、私たちも室内に入りました。冷房が効いていて、これはこれで快適です。
「少し潮に流されたようだから、動かすか」
そう言いながら、おじ様がエンジンを起動しようとしましたが、かかりません。
「まさか、故障か」
みんなの顔色が変わります。
「心配しなくていいよ。無線で連絡を取るから・・・あれ、おかしいな、無線機もダメだ」
思ってもみないことになりました。
「こうなったら、通りかかった船に来てもらうしかないな。みんな、済まないが、近くを船が通らないか見張ってくれ」
私たちは不安な面持ちで四方を見渡しました。船一隻、見当たりません。
目を凝らして見ていると、30分もしないうちにモーターボートの姿が見えました。大きく手を振り助けを求めるとモーターボートが近付いてきました。私たちはホッとしました。
ボートには3人の若い男性が乗っていました。ロープで2隻の船を結びつけると、こちらに乗り移ってきました。
(良かったわ)
でも、男の人たちが私たちの水着姿を舐めるような視線で見ているのを感じ、新たな不安が襲いかかってきました。

【その2へ続く】



[2010/01/18 06:00] 洋上~さらさの場合 | トラックバック(-) | コメント(-)