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家出~ゆきのの場合(8) 

体の発育に比べて雪乃は初潮を迎えるのが非常に遅れていた。
父親に毎日犯される日々で精神的に参っていたせいもあるのかもしれない。
ある日の帰宅後、そんな雪乃にもとうとう初潮がきた。
一番の相談相手である母親がいない雪乃はひどく狼狽したが、自宅だったのでなんとか対処できた。
もし、学校で下着をつけていない時に生理が始まったらと思うとぞっとした。
だが、もう一つの問題が残っていた。
「お父様、雪乃にも生理がきました」
「それがどうした?」
「お願いですから、今日からは避妊して下さい。そうしないと・・・」
「ほおそうか」
父親は酷薄な笑みを浮かべた。
「そうか、じゃあ、雪乃、お前が今度こそ正真正銘の私の子供を産むんだ」
父親は雪乃をその場に押し倒そうとした。
妊娠だけはしたくない、そういう思いの雪乃は力一杯父親を突き飛ばした。
今まで雪乃に抵抗されたことの無い父親は、いつも通り酔っていたこともあり、虚を突かれたようで、そのまま壁にぶつかった。
雪乃は父親が後頭部を押さえて唸っているのを見て慌てた。
父親の怪我を心配はしたが、もう我慢ができなかったし、このまま家にいたら遅かれ早かれ父親に妊娠させられるのは時間の問題だった。
雪乃は家を出ることを決意した。
長いこと服を買ってもらえなかったら、制服のまま、下着や当面の生活に必要そうなものを学生鞄に詰め込んで家を飛び出した。
急いで駅まで走った。
定期券だけは与えられていたから、自宅から少しでも離れるために駅に行き電車に飛び乗った。
どこへ行くというあても無かったので、途中の駅で電車を降りた。その時にはもう外は真っ暗だった。
友達の家に行くことも考えたが、同級生の家は雪乃の家に劣らず良家ばかりだから、雪乃が家出をしたとわかるとすぐに家に連絡され連れ戻されるのは確実だった。
どうすればいいのかわからないまま、夜の街中を歩いている時に雨が降り出してきた。
そして、僕のアパートのところでうずくまっていたというわけだった。

【その9へ続く】

[2009/04/15 06:00] 家出~ゆきのの場合 | トラックバック(-) | コメント(-)