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生花~あおいの場合(1) 

「はい、今日のお稽古はここまでです」
「ありがとうございました」
隔週の日曜日は生け花のお稽古の日。
私の家は旧華族ということで、女の子はお茶やお花のお稽古に行かされます。
おばあさまに言わせると「当然のたしなみ」ということで、私には「行かない」とか「行きたくない」とかいう選択肢は初めからありません。
お嬢様もそんなに楽では無いのです。
生け花にはいろいろ流派がありますが、ここは私の通っている白雪女子学園の子が多く入門していますから、顔馴染みがたくさんいます。
「あおい、帰りにお茶しない?」
同級生の子から声をかけられました。皆、着物姿です。
中学1年生で着物を着た女の子だけで喫茶店に入ることもできませんから、大学生のお姉様方に連れて行ってもらうのですが、おしゃれなお店に連れて行ってもらえるので結構楽しみにしています。
「ええ」
一緒に行こうとした時です。
「あおいさん、ちょっとお話があるの。残ってもらえる?」
家元の次男の事務長が声をかけてきました。
「は、はい」
私はこの事務長が好きではありません。
オネエ言葉を使っているのも気持ちが悪いですし、以前お弟子の中学生の女の子に乱暴したという噂もあります。
実際、私たち中学生の着物姿をいやらしい目つきで舐め回すようにみていることがあります。
長男の次期家元と違い、生け花のセンスが無いので、家元も仕方無く事務長のポストを与えているそうです。
でも、仕事は事実上事務次長さんが全部取り仕切っていて、三十過ぎになるのに遊び回っているそうです。
皆が帰るのを見届けてから、事務長は私に一枚の写真を見せました。
そこには着物を着てタバコを吸っている私の姿が映っていました。
私は顔から血の気が引きました。
「この写真を白雪の中等部に送ったら、間違いなく退学ね」
事務長はニヤニヤしながら、私のお尻を撫で回しました。
私は金縛りにあったように、されるがままになっていました。

【その2へ続く】

[2009/04/01 06:00] 生花~あおいの場合 | トラックバック(-) | コメント(-)