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のぞみが教わっている数学教師は、チビ・デブ・ハゲの「三重苦」を抱えた男性独身教師だ。三重苦→39→サンキューということで、影で生徒たちはサンキューと呼び小馬鹿にしていた。
そこまで軽んじられる原因は、実は容姿よりも行動にあった。
白雪女子は自由な校風とあって生徒の意見を結構受け入れる。だからお嬢様学校にしては珍しく早い時期から生徒の要望で制服はチェックのミニスカートになっていた。
サンキューはそのミニスカートから伸びている生脚をジロジロと眺めるのだ。あまりに露骨な視線のため、生徒から親に、親から校長へとクレームが寄せられたことすらあった。サンキュー自身が学園の創立者の一族であり、また直接触ったりするワイセツ行為にまでは及ばなかったのでウヤムヤにされたが、中学生の女子生徒から嫌われ軽蔑されるには十分だった。
(でも仕方ないよね・・・)
のぞみは涙を拭いながら自分で自分に言い聞かせるようにした。
「先生、わからないところがあるんですけど、後で質問に行っていいですか?」
のぞみは数学の授業が終わった後、サンキューに近付くと甘えるような仕草を交えながら言った。
だいたい、どこの学校でも教師に質問する顔ぶれというのは決まり切っている。のぞみがサンキューにそんなことを言うこと自体初めてだったから、サンキューは怪訝な顔をしつつ、
「あ、ああ・・・職員室にいるから」
そう言うと、のぞみの返事も聞かずに首を傾げながら廊下を歩いていった。
「どうしたのよ、のぞみ! あんな奴のところに行ったら襲われちゃうよ」
クラスメートたちは、見慣れないやり取りに戸惑いながら無責任なことを言っていた。のぞみは曖昧な微笑を浮かべてやり過ごした。
(襲ってくれれば、いっそ楽なんだけどね・・・)
放課後、のぞみは職員室に行った。サンキューは、本当に来たのか、と言いたげな顔をし、のぞみを伴って面談室に行った。
【つづく】
[2008/10/27 06:00]
誘惑~のぞみの場合 |
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