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強盗~かんなの場合(1) 

夜中にふと目がさめた。隣に目をやると妻が起き上がっていた。
「あら、ごめんなさい。あなたのこと、起こしちゃったかしら」
「ああ」
「ちょっとトイレに行きたくなってしまって」
「うん、そうか」
半分寝ぼけながら、そんな言葉を交した。
私は一度目を覚ましてしまうと、なかなか再び寝付けない。
そのままゴロゴロしていたが、階下のトイレに行ったはずの妻が帰ってこないのが気になった。
(どうかしたのかな)
多少心配にもなったし、寝付くためにホットミルクでも飲もうか、とも思ったので、私も階段を下りていった。
1階に下りると応接間の方で物音がした。
妻と中学3年生の娘・かんなが話でもしているのかと思い、応接間のドアを開けた。
次の瞬間、私は突然腹に強い衝撃を受け膝を折った。
さらに首筋にまた強い衝撃を受け気を失った。

「バサッ」
水をかけられ私は意識を取り戻した。まだ腹と首筋には痛みが残っていた。
(痛い!)
だが、それは言葉にならなかった。
私は自分が猿轡を咥えさせられていることに気がついた。
私は後ろ手に手錠をかけられ床に転がされていたのだ。
「見てみろ」
誰かが私の後ろ髪をつかみ上体を起こさせた。
目の前の光景を見て私は驚愕した。
そこには、私と同様に後ろ手に手錠をかけられた寝巻き姿の妻と娘の姿があったからだ。
その傍らには、目出し帽をかぶり刃物を持った男たちが立っていた。
「だんなさん、気がついたかい」
そう言いながら男の一人は私の脇腹を思いっきり蹴り上げた。
「ゲホッ」
私の目には、顔をそむけながら震える妻と娘の姿が映っていた。

【その2へ続く】

[2009/03/03 06:00] 強盗~かんなの場合 | トラックバック(-) | コメント(-)