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新体操~かなえの場合(2) 

私はレオタード姿のまま、コーチについて体育教官室に行きました。
コーチもレオタード姿のままです。
ウチは生徒数が少ないので、体育主任とその下の数人の体育教官が中等部と高等部の両方をみています。
「失礼します」
「どうぞ」
体育教官室に入ると、他の先生は誰もいませんでした。
「他の先生はいらっしゃらないのですか?」
コーチは笑いながら、
「そうなの。主任は外部の研修会だし、他の先生方もそれぞれ仕事や私用でお帰りになったから、私が鍵を閉めて帰るだけよ」
と言って教官室の冷蔵庫を開けました。
「だから、かなえキャプテンにジュースをご馳走できるわけ」
コーチは、二人分のジュースとお菓子を持ってきてくれました。
「どうぞ、召し上がれ。おなか、すいたでしょう」
「わぁ、ありがとうございます。でもいいんですか?」
「体育の先生たちは体を動かす分だけおなかがすくでしょう。だから、空いている時間には先生たちは皆いろいろつまんでいるのよ。遠慮せずにどうぞ」
「はい、いただきます」
コーチの話は次の大会のメンバー選出のことでした。コーチの考えるメンバーについて、私もいろいろと意見を言いました。
それから、メンバーに選ばれなかった部員は当然モチベーションが下がり辞めていくこともあります。そういうことが起こらないように、コーチはいろいろと気を使ってくれていました。
「わかりました。私も気をつけます」
「お願いね。先生と生徒という立場になってしまうと、なかなか私には言い出しにくくなる子もいると思うから」
「はい」
「かなえさんもカレシとのデートとかいろいろ忙しいだろうのに時間を取らせてごめんなさいね」
私は力一杯首を振りました。
「いいえ!カレシなんていませんから!」
胸の中でも思いっきり叫んでいました。
(私が好きなのは、コーチ、あなたです!)

【その3へ続く】

[2009/02/21 06:00] 新体操~かなえの場合 | トラックバック(-) | コメント(-)